ナナリーが自分と同じ考えを持っていたことを知ったルルーシュは、ついには愛する妹にまで絶対遵守のギアスの力を使用し、フレイヤの発射スイッチの奪取に成功。ルルーシュ率いるブリタニアは、その巨大な軍事力とフレイヤの脅威によって世界征服を果たすのであった。それから二ヵ月後のパレードの最中、世界の覇王ルルーシュの前に新たなゼロが突如登場。ゼロは剣でルルーシュを突き刺し、これにてゼロレクイエムは完遂するのであった……という最終回。
前回までは、皇帝シャルル、マリアンヌとの対決は最後までとっておくべきだったのではないかとずっと思っていた。数々の謎や世界の構造そのものを明らかにしたあと再び現実世界の問題に戻り、以降はシュナイゼル&黒の騎士団との戦い、「やっぱり血の繋がった兄妹だなぁ」と思わされた虐殺姫(笑)ナナリーとの対峙といった流れは、それまでと比べると明らかにスケールダウンしていったから。ところが最終回を観終えた今となっては、この構成でよかったように思う。未来を、現実を意識させるにはやはりこの構成がいい。たとえ世界が劇的に好転することはなくとも、たとえいかなる苦難が待ち受けていようとも、未来はみんなの手によって切り拓かれるべきだという道筋をゼロレクイエムという形で示したのは興味深い。
シャルルの人類補完計画(のようなもの)という「退化による平和」、シュナイゼルがやろうとした支配による「変化を望まない平和」を否定したルルーシュ。あえて世界征服をしてみせ、打倒されるべき悪という茨の道を選んだという辺りは今の時代ならでは選択かもしれない。実際、今の現実の世界は争いだらけで、支配によって本当に平和は得られるのか、その状態は本当に平和なのか、そのことに疑問を持っている者は少なくない。とりわけ何が問題なのかといえば、具体的かつ明確な「悪」がいないこと。戦争の一番の疑問点はそこだ。利己的な目的のために行う政治手段が戦争であって、そこにはルールだって存在するし、明確な悪の存在がないからこそ憎しみが連鎖、増幅してしまう。そこで、支配者でも国家でもなく民衆の力によって築かれるべき平和を求め、全ての憎しみを一身に集める巨悪を演じたルルーシュは、もっとも民衆のことを考えた人間だったといえるだろう。戦争によって生じた憎しみは戦争後も続くが、単一の「悪」は倒せばそこで全て終りだ。構図が実にわかりやすい。
言いたいことは山ほどあるが(主にキャラの扱いについて)、終わりよければなんとやらといった感じで、要するに面白い作品だったなぁ、と。退屈しない展開、ネタの充実度という点においては、個人的には00年代では一番の作品。肯定、否定的な意見含め、毎回とにかく何か言いたくなるつくりで、ネタのバラ撒き具合、濃度の高さでは他の追随を許さないものがあった。とにかく情報量が多い。そして、あれだけとんでもなく大きな風呂敷を広げ、しかもずっと引っ掻き回し続けたのにも関わらず、強引とはいえよくああも話を畳めたもんだと思う。これは本当にすごい。R2になってからというもの、ものすごくいい加減なオチつけるんじゃないかとずっと不安を抱いていただけに、話を畳んでくれて本当によかった。数々の不満点はカレンの「調子のいい話よね」で納得しておこう。ついには首相にまで登りつめた扇のことすらも。まぁ、どうせすぐに女性スキャンダルでも起こして辞任するとは思うが。
そういや、主人公が力と恐怖による世界征服を実現した作品(天下統一のような英雄譚とは違う)を観たのは、もしかするとこれが初めてかもしれない。
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